【相続登記DIY】相続登記を自分でやる方法 第3回目

第3回目の今回は、(続)STEP4 登記申請書を作るということで
前回作って頂いた申請書を印刷して法務局に提出するために体裁を整える工程と
STEP5 書類を提出する STEP6 登記が完了して書類を受け取る
ここまでを一気に解説していきます。

え!?そんなに一気に?
もっと優しくして!
いえいえ、安心して下さい。
もう山は越えていますから。

(続)STEP4 登記申請書を作る

まずは、登記申請書を印刷します。

★印刷する際は、片面印刷
★申請書の後ろにA4の白紙の紙をつける
→これは先ほど計算した登録免許税は収入印紙で納めるので貼り付ける台紙にします。
★印刷したら登記申請書と白紙の台紙の左側をホッチキス止めする
★登記の申請人となる人の氏名の右側に認印を押す
→申請書が2ページ以上の場合、ホッチキス止めしてまたがる部分にも印鑑を押します。

次は添付書面といって、申請書に付ける付属書類を準備する工程です。

戸籍・遺産分割協議書・印鑑証明書、住民票等は、希望すれば法務局から返してもらうことができます。原本還付請求といいます。苦労して集めた書類はできるだけ返却してもらいましょう。

やり方は簡単です。コピーを取って、どこでもよいので「原本と相違ありません」と手書きします。そして申請人の名前を書いて認印をおします。何枚にもなると思うので、左側をホッチキス止めして、ページの間に契印を押します。原本と相違ありませんという記載は、最初のページだけで大丈夫です。

戸籍が大量でコピーするのが大変、という場合には相続関係説明図という書類を作れば戸籍のコピーを省略できます。

次に登録免許税として収入印紙を準備します。収入印紙は郵便局か法務局で買えます。
郵便局には、予め希望する印紙が置いてあるか、電話で聞いたほうがいいと思います。法務局に申請書を直接持ち込もうとお考えの方は、法務局で買ってそのまま登記申請という流れでもよいかと思います。
手に入れた収入印紙は申請書につけた白紙の台紙に糊付けします。注意点としまして、この時、収入印紙の消印を絶対にしないで下さい。消印をしてしまうと無効になってしまいます。

完成した登記申請書と添付書面、戸籍などを原本還付請求した場合はその原本をまとめて
クリップ止めをすれば書類の完成!

さあ、これでいよいよ整いました。
次は法務局へ登記を申請します。

STEP5 書類を提出する

登記申請には、1直接法務局へ持ち込む2郵送すると2通りありますが、法務局は平日の5:15までしか開いていませんので郵送をおすすめします。
※法務局の対応時間は今後短縮の可能性があります。

郵送する際には、無事に届いたか追跡することができるレターパックプラスで送る事をおすすめします。
赤色のものです。
収入印紙を買うついでに郵便局で買っていただければと思います。

登記を申請したあとは大体1週間から2週間程度で完了します。目安となる完了予定日は法務局のホームページで公開されています。法務局の方からは終わったという連絡は来ません。書類の訂正がある場合にのみ連絡がきます。
(ですのでプロでも法務局からの電話にはドキドキします)

STEP6 登記が完了して書類を受け取る

法務局から発行される書類は3種類あります。

★登記完了証
→その名のとおり、登記が終わりましたという報告の文書 あまり重要ではない

★登記識別情報通知
→いわゆる権利証 売却など不動産を処分する場合に必要になる重要書類

★原本還付請求をした戸籍等

書類を受け取る方法は2つの方法があります。

★法務局の窓口で受け取る
→窓口で受け取る場合ですが、法務局へ行かれる前に登記が完了しているか電話で確認した方がいいです。受け取る際には、申請書に押した印鑑と同じ印鑑が必要です。

★郵送で受け取る
→郵送で受け取る場合ですが、返信用封筒を申請書や添付書面と一緒に法務局へ提出します
返信用封筒は本人限定受取郵便になります。添付書面がおらずに余裕を持って入る大きめの封筒を用意します。角2の封筒がおすすめです。

郵便切手の料金ですが、重さによって変わりますので郵便局の方に聞くといいです。実際に返送してもらう添付書面も持って行って、重さを計ってもらうとより正確な料金が出してもらえるかと思います。法務局から郵送されてくるのは添付書面以外に登記識別情報通知や完了証もあるので少し余裕をもった方がいいかもしれません。。その際に返信用封筒も持っていけば、本人限定受取郵便という印鑑も押してもらえると思います。

郵便局でやることが色々出てきましたのでをまとめてみました。
気が利きますか?
いえいえとんでもございません!

完了した書類を受け取ったら、ステップ2で出てきた登記情報提供サービスで登記情報を取得してきちんと登記がされているか確認してみてもいいかも知れません。

以上で、相続登記を自分でやる方法の解説は終りです。

いかがでしたでしょうか。
迷える相続登記DIYチャレンジャーの皆様の一助となることができたら、
幸甚でございます。

重ねてのCMで恐縮ですが、
私たちは、司法書士に丸投げのプランから、
書類は集めてみたけどその先が、、、という方向けのリーズナブルプランまで
ご用意しております。

一度ホームページをご覧いただければと思います。

今回ご紹介した各書類のひな形もホームページで公開しています。
登録免許税の計算式(エクセル)も載せています。

最後までご覧いただきありがとうございました。

次回は、「法定相続情報一覧図」について解説を考えています。
銀行口座の解約や自動車の名義変更等、幅広く使える書類です。

それではまた

【相続登記DIY】相続登記を自分でやる方法 第2回目

第2回目の今回は、STEP4 登記申請書を作る方法について解説していきます。

この登記申請書の作成が山場かもしれません。
もし内容が間違っていると補正といって、法務局から訂正を指示されてしまいます。。

遠方だと結構しんどいことになるので、よくよく確認しながら進めていただければと思います。

登記申請書も、私たちのホームページからダウンロードできます。
よろしければご利用ください。

『申請書式ダウンロード』

『不動産の相続登記で必要な書式一覧』

『相続登記 申請書』

STEP4 登記申請書を作る

以下、法務省が公開している登記申請書のひな形にそって解説していきます。

「登記の目的」「原因」「相続人」この記載を見ていきましょう。



まず最初に登記申請書の一番上には5.6センチ以上のスペースをあけておきます。
ここは法務局が受付シールを後ほどはるスペースになります。

被相続人をAさん、不動産の名義を取得する方をBさんとします。

「登記の目的」
登記簿をみて頂き、被相続人がお一人で所有者として記載されている場合には
所有権移転と記載します。
被相続人が共有者として記載されている場合、例えばほかの方との共有であったり、道路の持分を持っている場合、その場合には、A持分全部移転と記載します。

「原因」
亡くなられた日にちを書いて相続と記載します。
和暦で記載します。

「相続人と被相続人」
ここでいう相続人とは不動産の名義を取得する方Bさんになります。名義を取得しない方は記載しません。

そして、Bさんのお名前の右横に認印を押します。
連絡先の記載は、不備があった場合に、平日の日中に法務局から電話が来ます。
ですので携帯電話等を記載します。

もし不動産を相続人のBさんとCさんで2分の1づつで相続するという場合には、
氏名の前に持分2分の1と記載します。

続いて「添付情報」「申請日」「法務局」の記載です。



「添付情報」
これは登記原因証明情報と住所証明情報と記載します。
なにも考えずこの記載だけでOKです。

次に「□登記識別情報の通知を希望しません。」という項目があります。
登記識別情報とはいわゆる権利証と呼ばれているものです。
これは希望した方が良いと思います。不動産を売却する場面で必要になります。
チェックボックスにチェックを入れると発行されなくなりますのでこの項目ごと削除しましょう。

「登記を申請する日付」
登記を申請する日付は、直接法務局に持ち込む場合にはその持ち込む日付を書きます。
郵送の場合には、郵便を出す日を書きます。

「申請先の法務局」
申請先の法務局は管轄といって、不動産の所在地ごとに決まっています。調べる方法ですが
「法務局 管轄」と検索をすると「管轄のご案内 法務局 法務省」とかかれたページが出てきます。クリックして頂くと「管轄一覧から探す」「地図から探す」というページが開きますので目的の都道府県から検索をしてください。

次に「課税価格」「登録免許税」を記載します。



「課税価格」

課税価格とは評価額のことです。

ステップ1で取得して頂いた課税明細書か評価証明書を見ながら、評価額という欄に書かれている金額の合計を記載します。評価額は「価格」または「評価額」と書かれている金額になります。「課税標準額」と書かれている金額ではありません。

課税明細書の場合、色々な数字が書いてあり見づらいですが、大抵一番大きい金額が評価額になります。不動産が複数ある場合には、それらの金額を合計した金額を記載します。
下三桁は切り捨てになります。↓の画像だと11,752,650と6,935,695が評価額です。

「登録免許税」

登録免許税とは、登記を申請するために必要な税金の金額になります。
これは収入印紙で納めます。
計算した課税価格に0.4%をかけた金額を100円未満、下二桁は切り捨てになります。

注意点ですが、令和7年3月31日までではありますが、財産に評価額が100万円以下の土地がある場合にはその土地に関しては登録免許税が非課税になります。
その場合、その旨を申請書に記載します。


評価額が100万円以下の土地がある場合には、非課税の適用を受ける旨を
 記載する 
 例 登録免許税 金2万円
 「 一部の土地(○○市大字○○字○○34番地の土地)について
  租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税」


それでは、具体的に登録免許税を計算してみましょう。

aとbの合計を計算して、下三桁を切り捨てます。
その金額に0.4%をかけて、下二桁を切り捨てます。

続いて、100万円以下の土地がある場合も見ていきましょう。

abcの合計を計算しますが、bは非課税になるため0円として計上します。

続いて不動産の表示の部分になります。



ここはステップ1で取得して頂いた登記簿謄本または登記情報をみながら、記載します。
評価証明書や課税明細書と記載が違う場合もありますが、登記申請書は登記簿のとおりに記載した方がいいです。

まれに附属建物というものが登記簿謄本に書かれている場合があります。車庫や物置等が多いですが、附属建物も申請書には記載します。記載の仕方はこんな感じです。


不動産の表示
  附属建物

  符    号  1

  種    類  物置

  構    造  木造草葺平家建
  
  床  面  積 41.32平方メートル


以上で登記申請書の作成は終了です。

今回はここまでです。
いかがでしたでしょうか。
一番大きな山は越えたはずです。
ご安心ください。

次回は、(続)STEP4 登記申請書を作る
申請書を印刷して、法務局に提出するために体裁を整える工程を解説していきます。

ここまでお読み頂き、出来そうかと思ったけど、
ミスも怖いしやっぱりプロに任せたいという方がいらっしゃいましたら
私たちはいつでもご依頼をお待ちしております(笑)。

必要書類が揃っていれば、料金がお安くなるリーズナブルプランも
ご用意しております。
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詳しくはホームページをご確認下さい。

ではまた

【相続登記DIY】相続登記を自分でやる方法 第1回目

令和6年4月1日から相続登記が義務化されます。

そうだやらねば、、という方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。
今までは、任意だった相続登記がいよいよ義務化になります。
しかも過料の制裁もあります。
過料!? なにそれ怖っ!

当ブログでは相続登記DIY(?)と題して、
相続登記を自分でやる方法について解説していきます。
私どもは司法書士なので身を切る思いですが(笑)、
きっとお困りの方やチャレンジ精神豊富な方がいるのではと思い執筆に至りました。

一口に相続登記と言ってもケースにより千差万別で、
手間なくやるには司法書士に依頼することをオススメしますが、
中には自分でやることに向いているものもあります。

どんなケースか?といいますと次のようなケースです。
一番多いケースかもしれません。

★被相続人は父親又は母親で、法定相続人は配偶者や子供のみ
★法定相続人間で争いがなく、遺産分割の話し合いがスムーズにできる
★パソコン(Word等)で文書作成ができる

具体的にどんな場合かと言いますと、

相続登記には、6つのステップがあります。

STEP1 書類を集める
STEP2 不動産を把握する 
STEP3 遺産分割協議書を作る
STEP4 登記申請書を作る
STEP5 書類を提出する
STEP6 登記が完了して書類を受け取る

第1回目の今回は、STEP1 書類を集めるからSTEP3 遺産分割協議書を作るまでを解説していきます。

STEP1 書類を集める

↓必要書類一覧です。

被相続人の生まれてから亡くなるまでの除籍謄本

本籍地の市役所で取得できます。生まれた時は通常、祖父母や両親の戸籍にいますが、結婚や子供の誕生で新しいその人だけの戸籍ができるので、これらの戸籍は複数必要になるケースがほとんどです。 もし本籍地が分からない場合には、被相続人の住所地の市役所で住民票の除票という書類を、本籍地の記載有と指定して取ることで調べられます。
 
遠方の場合には、郵送で取れます。
郵送での戸籍の取り方は、こんな感じです。

課税明細書または評価証明書

課税明細書とは毎年4月ごろに市役所から送られてくる固定資産税の納税通知書に同封されている書類です。被相続人がお持ちの不動産とその評価額が載ってます。この評価額がステップ3の申請書の作成で必要な情報になります。非課税の場合には評価額の記載がありません。その場合には市役所で評価証明書を発行してもらいます。注意点として、この書類は毎年4月1日で年度が切り替わるので最新年度のものを用意します。例えば令和6年3月31日までに登記申請する場合には、令和5年度の課税明細書等が必要です。

被相続人の戸籍の附票

住所の履歴が一覧で記載されている書類です。戸籍と同じく本籍地の市役所で取れます。住民票の除票でもいいのですが、住所の異動が繰り返されている場合には、除票では記載が足りない場合があるので戸籍の附票の方がおすすめです。

配偶者やそのお子さんたちの戸籍謄本と印鑑証明書

戸籍謄本は全く同じものは重複しては必要にはなりません。お子さんが未婚で親と同じ戸籍にいる場合には、1通あれば十分です。

不動産を相続する相続人の住民票

マイナンバー(個人番号)は省略したものです。

STEP2 不動産を把握する 

step1で用意した評価証明書や課税明細書に記載されている不動産について、登記簿謄本に書かれている内容を調べます。これはstep3で登記申請書を作る時に、登記簿の記載どおりに作らないといけないからです。

これには登記情報提供サービスが便利です。法務局に行って登記簿謄本を取る方法もありますが、ご自宅にいながらインターネットで即取れて安いのでおすすめです。支払いはクレジットカードになります。

利用の仕方ですが、インターネットで登記情報提供サービスと検索して頂き、中ほどの一時利用をクリックします。

注意点

・利用できる時間が決まっている

・初回ログインしてから1日しか利用できない

→ログインしたらすぐ取得してしまうことをおすすめします。どうでもいいですが、このインターネットで取得した登記簿謄本のことを登記情報といいます。

STEP3 遺産分割協議書を作る

こちらでは、ステップ1.2で集めた情報を元に、どの不動産をどなたが相続するかを決めていただき、文書にします。

遺産分割協議書のひな型は、私たちのホームページからダウンロードできます。
よろしければご利用ください。

『申請書式ダウンロード』

『不動産の相続登記で必要な書式一覧』

『遺産分割協議書ひな型』

記載内容をみていきます。

一番上に遺産分割協議書とタイトルを記載します
続いて被相続人の記載です。
氏名と亡くなられた日付を記載します。
最後の本籍は亡くなった記載のある戸籍に書かれている本籍地を記載します。
最後の住所は、戸籍の附票に書かれている最後の住所を記載します。

続いてどなたがどの不動産を取得するのかを記載します。
不動産の表示は、登記簿を見ながらそのとおりに記載します。

また後から財産が発見された場合は、誰が相続するかを事前に決めておくことができます。あとから協議書を作り直す必要もないですし、トラブルも回避できるのでおすすめです。
書き方は「本協議書記載以外の一切の財産」これでOKです。

遺産分割協議書が作成できたら、相続人全員の方に署名押印して頂きます。
印鑑は実印になります。
このとき、実印があっているか印鑑証明書と見比べる事をおすすめします。
押し間違えてしまった場合には、重ならないように近くにおし直せば大丈夫です。

2ページ以上にまたがる場合にはホッチキス止めをしてまたがる部分に契印を押します。
もちろん実印です。

今回はここまでです。
いかがでしたでしょうか。

私たちのホームページでは、動画でも解説しています。
文章よりも分かりやすいかもしれません。
第2回では、STEP4 登記申請書を作る方法を解説していきます。
次回は少しボリュームがあるかもしれません。

ここまでお読み頂き、出来そうかと思ったけど、
これはちょっと難しいな、時間もないしなという方がいらっしゃいましたら
私たちはいつでもご依頼をお待ちしております(笑)。

必要書類が揃っていれば、料金がお安くなるリーズナブルプランもご用意しております。
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ではまた

[不動産登記レアケース15] 外国人が日本の不動産を売却(購入)する場合(令和6年4月1日改正)

1853年「黒船が来た!」から時は流れ、外国人の方が日本国の不動産を売買する場面も増えてきました。安全保障上の議論は別として、我々司法書士が外国人の不動産売買登記に当たり、様々な問題に直面することも珍しくありません。外国人が売る場合、買う場合、または海外居住日本人が売る場合、買う場合についてまとめています。ここでご紹介するのは私見もあり、皆様におかれましては事前に法務局へ照会をされることを前提としております。

A日本に居住している外国人が売主の場合

中長期在留者、特別永住者は住民登録がなされている市町村において印鑑登録することができ、当該印鑑に係る印鑑証明書の交付を受けることができる。この印鑑証明書をもって登記義務者の印鑑証明書として用いることができる。

外国人が印鑑証明書を添付した場合、別途、署名証明書の添付は不要。印鑑を使用している外国人が、申請書又は委任状等に署名捺印の上、日本における居住地市町村発行の印鑑証明書を添付して登記の申請があった場合、署名証明書の提出がなくても受理するのが相当である。(昭和35・4・2民甲787号民事局長回答)

B海外に居住している外国人又は外国企業が売主の場合

問題になるのは印鑑証明書の代替措置(印鑑登録制度がある国は、ほぼない)

先例(前提)
(ア)外国人が登記義務者として登記を申請する場合には印鑑証明書に代えて, 申請書又は 委任状の署名が本人のものであることの本邦の所属国大使館等の発行した証明書を提出 して差し支えない。(昭和59年8月6日民三3992号民事局第三課長依命通知)
(イ)所有権移転登記の義務者が外国人の場合,印鑑証明書に代えて委任状の署名が本人の 者である旨の外国の官憲 (在日公館, 本国の官公署等)の署名証明書を提出させるのが 相当である。(昭和34年11月24日民事甲2542号民事局長回答 )

B(a) 海外居住売主が来日する場合

海外居住の外国人売主が来日していれば、当該外国の在日大使館(売主母国を管轄する日本にある大使館)は、日本国内で使用する目的であればサイン証明書を発行に応じてくれる。 事前に登記委任状を作成して外国人売主に渡し、 外国人売主はこれを当該国在日大使館で認証を受け印鑑証明書の代替とすることができる。

売主が外国企業の場合、事前に登記委任の内容と法人の資格証明書の内容を一体として宣誓供述書の形式で作成しておき、そのひな形を予め当該会社代表者に渡しておき,当該代表者が会社準拠法国の在日大使館で認証してもらうことにより,会社資格証明書, 会社代表者印鑑証明書,登記委任状全てがこの宣誓供述書でまかなうことができる。

B(b) 海外居住売主が来日しない場合

外国人売主が売却の際に来日しない場合、事前に宣誓供述書素案を作成してEメールで委任状等を送り、 現地の公証人の面前で署名を認証してもらったものを返送してもらう。通常、売買日付を空白にして認証してもらうのが登記実務上一般的だと思われるが、事前に必ず管轄法務局へ確認して下さい。

B(c) 海外居住売主が外国法人の場合

外国法人が設立されている国の公証人の面前で当該会社代表者が1当該会社内容2自分に代表権があること3登記申請を司法書士に委任することを宣誓供述してその認証を受けることによって、資格証明書と印鑑証明書, 代理権限証書並びに登記申請委任状を兼ねることができる。

代表者の国籍が当該法人準拠法国以外の国籍である場合に、例えば、 ケイマン(イギリス領)を準拠法とする会社の代表者がアメリカに居住するイギリス人(イギリス国籍)であった場合の宣誓供述書は?

上記123を盛り込んだ宣誓供述書を作成し、ケイマンの公証人の認証があれば当該国(イギリス)の権限ある官公庁又は官憲の認証があるということで適格性を有する。

一方代表者のイギリス人がケイマンまで行けない場合には?

アメリカ在住の代表者たるイギリス人は、上記123を盛り込んだ宣誓供述書をイギリス国公証人又はソリシターの面前で認証すれば,これを会社代表者の印鑑証明書を代替するものとして適格性を有する(ただソリシターが認証権限を持っているのかどうかは諸説あるため、管轄法務局へご確認ください。)

代表者たるイギリス人が、アメリカ国内の公証人 (ノータリーパブリック) の面前で認証したときに、代表者としての印鑑証明書の代替として適格性があるか?
→法務局により適格性ありというケースと適格性がありと判断されたケースがある模様。 日本人がアメリカで印鑑証明書の代替としての宣誓供述書についてアメリカの公証人の面前で認証した場合には認める旨の先例があるが, 外国人が当該国以外の公証人の認証は原則的に否定的なようである。その理由として当該国の官公庁又は官憲の証明又は認証を要求しているため。

「 参考先例」
外国人が、本国の法制上の理由等のやむを得ない事情から、署名証明書を取得できない場合は、その旨の登記の申請書に押印すべき者の作成した上申書及び当該署名が本人のものであることの日本の公証人又は当該外国人が現に居住している国の官憲の作成した証明書の添付をもって、市町村長の作成した印鑑証明書の添付に代えることができる。

なお署名が本人のものであることの証明書を日本における領事若しくは日本における権限がある官憲が発行していないため当該証明書を取得することができない場合又は日本に当該外国人の本国官憲がない場合には、日本以外の国における本国官憲において当該証明書を取得することが可能であっても、やむを得ない事情があるものとして取り扱ってよい。(平成28年6月28日付け法務省民商第100号民事局長通達 改正平成29年2月10日法務省民商第15号 抜粋)

外国在住の日本人が登記義務者として登記を申請する場合の委任状については,本人の署名であり、かつ自己の面前で宣誓した旨の現地公証人の証明があれば,領事その他日本の出先機関の証明がなくても、受理してよい。( 昭和33年8月27日民事甲1738号民事局長通達)

外国人が印鑑証明書を添付できないときは、印鑑証明書に代えて、申請書又は委任状の署名が本人のものであることを証する、当該外国官公署の署名証明書又は当該外国の公証人による署名証明書を添付する。なお、印鑑証明書と違い、署名証明書には作成後3か月以内の有効期限の制限は受けない。

「帰化した元日本人の場合」
元日本人である外国人が登記義務者として登記を申請する場合において本人の自署であることについて所属国駐在の日本大使館又は領事館において証明した場合は、その証明書を印鑑証明書に代えることができる。

「参考実例(ドイツ在住の日本人が売主)」
ドイツ在住の日本人が売主→在ドイツの日本領事館にて、委任事項を詳細に記載した委任状にサイン証明書をもらう。
・委任事項中の売買日付は空欄でOK
・委任状の委任日が、売買日より前でもOK
・委任者の住所は当然ドイツ語になるため訳文をつける

「参考実例(中国人と未成年者)」
前提 
:売買による所有権移転登記を申請する
:所有者は、未成年者(日本国籍)、親権者は中国籍の母親、父親は日本人で他界している
:所有者も親権者も中国在住

所有者 日本名 畑野禎芳(仮称):中国名 王禎芳(仮称)

所有者も親権者も中国在住であるため、親権を証する書面を公証書で作成を依頼したところ、公証書では家族関係書類(戸口簿)の記載に基づく為、日本名の「畑野禎芳(仮称)」の記載が出来ず、中国名の「王禎芳(仮称)」の記載しか出来ないとのこと。理由は、出生証明書には日本人である父親の氏名の記載はあるが、戸口簿に日本名である「畑野禎芳(仮称)」の氏名を登録しなかったためとのことでした。法務局との調整の結果、中国名の「王禎芳」での公証書と畑野禎芳の日本の戸籍(母として中国籍の母親の氏名の記載有)の二つで親権を証する書面として添付しました。もちろん翻訳文もです。

「翻訳文」
外国語で書かれた添付書類がある場合、訳文を添付する。誰が訳しても差し支えなく、翻訳者が訳文に「相違ない」旨を記載して署名押印するか登記権利者・登記義務者が訳文に相違ない旨を記載して署名押印すればよい。翻訳者の印鑑証明書は必要ない。当然、申請代理人でもさしつかえない。(昭和33.8.27民事甲第1738)(昭和40.6.18民事甲第1096号)

買主(登記権利者)は登記申請の添付書類として市町村等の作成に係る住所を証する情報(住所証明情報)を提供する必要がある。

①日本に住所を有する外国人の場合
長期在留者、特別永住者は住民登録がなされている市町村において、外国人住民票の発行を受けることができ、当該書面が住所を証する情報になる。

②日本に住所を有しない外国人の場合
当該所属国の公証人、在日領事館の認証がある住所に関する宣誓供述書

・韓国籍の場合
韓国住民登録証明書が住所証明情報になる。

・台湾籍の場合
戸政事務所(公的機関)発行の戸籍謄本が住所証明情報になる。

・漢字圏の場合

住民票に、本名(本国での名前)と通称名が併記されている場合で、ローマ字氏名の記載がない場合、

→本名(本国での名前)で登記する場合には、ローマ字氏名の登記が必須のため、住民票にローマ字氏名を入れてもらう必要がある。市役所にローマ字氏名を届けていなければ、別途本人にローマ字氏名を届けてもらい、その後住民票を再取得してもらう必要がある。

→通称名での登記する場合には、ローマ字氏名の登記は不要

外国人による所有権移転登記の新しいルールについて

令和6年4月1日から不動産登記法が改正され、外国にお住まいの方や外国籍の方が日本の不動産を購入して所有権移転登記(名義変更)をする際のルールが大きく変わりました。新しいルールの主なポイントは以下の3つです。

1. 国内の連絡先を登記すること

2. 氏名にローマ字を併記すること

3. 住所を証明する書類のルールが変わったこと

「国内連絡先の登録」

これまで、海外にお住まいの方が日本の不動産を買うと、税金や管理の面で連絡が取りにくくなる問題がありました。そこで、外国に住所がある方が不動産の持ち主になる場合は、日本国内での連絡窓口となる人や会社の名前、住所などを登記簿に記録することが義務付けられました。

・連絡窓口になれるのは誰か 日本国内に住所がある個人や、日本の会社などが連絡先になれますが、登録できるのは1名(または1社)のみです。

・どのような書類が必要か 連絡先となる人には「私が国内の連絡先になります」という承諾書を書いてもらう必要があります。この承諾書には実印を押し、印鑑証明書を一緒に提出します。また、連絡先となる人の住民票なども必要になります。

・頼める人が誰もいない場合 もし日本国内に連絡窓口を頼める人がいない場合は、「国内連絡先となる者がない」という上申書(申告書)を提出することで、「連絡先なし」として登記することも可能です。

このように、海外にお住まいでも日本の不動産に関する連絡がスムーズに取れるような仕組みが作られました。

氏名への「ローマ字氏名」の併記

令和6年4月1日の改正により、外国籍の方が所有権の登記名義人になる場合、本来の氏名と一緒にローマ字で氏名を併記するよう申し出ることができるようになりました。

・ローマ字の表記ルール

ローマ字の書き方には、いくつかの細かな決まりがあります。

1.すべて「大文字」で表記します。

2.「氏」と「名」の間にはスペース(空白)を入れます。中点(・)などの記号は使えません。

3.ミドルネームは、本来の氏名として登記される場合のみローマ字でも併記できます。

・漢字圏の方とそれ以外の方の表記 アメリカやイギリスなど、漢字を使わない国の方の場合は、「カタカナの氏名」にローマ字を併記します(例:シャーロック ホームズ/SHERLOCK HOLMES)。 中国や韓国など、漢字圏の方で日本の漢字を使って氏名を表示できる場合は、「漢字の氏名」にローマ字を併記します。もし日本の漢字で表示できない文字が含まれている場合は、カタカナの氏名にローマ字を併記することになります。

・添付書類について

ローマ字のつづりが正しいことを証明するために、以下のいずれかの書類を提出する必要があります。

1.ローマ字氏名が記載された日本の住民票の写し

2.パスポートのコピー(有効期限内で、顔写真とローマ字氏名があるページ。本人が「原本と相違ない」と記入し、署名やサインをしたもの)

3.パスポートがない場合は、自分で「このローマ字氏名に間違いありません」と書いた申告書(上申書)

・注意点 日本で「通称名」を使って生活しており、その通称名で登記をする場合には、ローマ字氏名を併記することはできません。

住所を証明する書類のルールの見直し

日本にお住まいの方が不動産の登記をする場合、住所を証明する書類として「住民票の写し」や「印鑑証明書」などを提出します。しかし、海外にお住まいの外国籍の方の場合、国によっては日本のような住民登録の制度がないため、住所の証明が難しいケースがありました。

これまでも、本国の公証人(事実を証明する公的な権限を持つ人)が作成した「宣誓供述書」などを提出する実務がありましたが、令和6年4月1日の改正により、どのような書類を出せばよいかのルールがより明確になりました。なお、このルール変更は「外国にお住まいの外国籍の方」が対象であり、外国にお住まいでも日本国籍の方(日本人)のルールはこれまで通りです。

主なルールは以下の通りです。

1.原則となる書類 韓国やドイツの一部など、日本のように住民登録の制度がある国の場合は、その国の政府(領事館を含みますが、公証人は除きます)が作成した、住所を証明する書類を提出します。

2.政府の証明書が取れない場合(公証人の書類とパスポート) 住民登録制度がないなど、政府発行の証明書が取れない場合は、以下の2点セットを提出します。 ・本国の公証人が作成した住所を証明する書類(宣誓供述書など) ・本人のパスポートのコピー

3.パスポートのコピーの注意点 提出するパスポートのコピーには、以下の条件があります。 ・登記を申請する日、または住所証明書が作成された日の時点で有効なものであること ・氏名、有効期間、顔写真のページが含まれていること ・公証人の書類とパスポートのコピーが「つづり合わさって一体」になっていない場合は、パスポートのコピーの余白に「原本と相違ありません」と記入し、本人が署名(サイン)または記名押印をすること

4.パスポートを持っていない場合 パスポートがない場合は、公証人が作成した住所証明書に加えて、「パスポートを持っていないことを本人が書いた申告書(上申書)」と、「本国の政府が作成した氏名が分かる書類のコピー(原本と相違ない旨の記入と署名が必要)」を提出します。

5.その他の救済措置 やむを得ない事情で、本国の公証人から書類をもらうこともできない場合は、日本の公証人に「この住所で間違いありません」と宣誓して作ってもらった書類と、パスポートのコピー、そして「本国の公証人の書類が取れないことの申告書(上申書)」を提出する方法も認められています。

6.外国語の書類についての注意 これら海外で作成された書類が外国語で書かれている場合は、必ず日本語の「訳文(翻訳)」を一緒に提出する必要があります。

具体例 外国人が所有権移転登記の権利者になる場合 ドバイに在住しているカナダ国籍の方が権利者。国籍はカナダですが、ドバイに永住権があります。カナダ大使館が閉鎖されており、カナダ大使館発行の書類が取得できません。アラブ首長国連邦が発行する何らかの書類で大丈夫ですか?

アラブ首長国連邦(現在お住まいの居住国)で発行される書類で可能

方法1:居住国(アラブ首長国連邦)の政府が発行した住所証明書

アラブ首長国連邦の政府機関が作成した、氏名と現在の住所が記載されている公的な証明書(日本の住民票に相当するもの)を取得する方法

方法2:居住国(アラブ首長国連邦)の公証人が認証した「宣誓供述書」+「パスポートのコピー」

アラブ首長国連邦の公証人(ノータリー)の面前で、本人が「自分の氏名・住所に間違いない」旨を宣誓して署名し、認証を受けた「宣誓供述書」を作成します。これに加えて、以下の要件を満たすパスポートのコピーをセットで提出します。

・宣誓供述書が作成された日、または登記申請の受付日において有効なパスポートであること。

・氏名、有効期間の記載、および写真の表示があるページのコピーが含まれていること。

・宣誓供述書とパスポートのコピーが一体(ホチキス等で合綴して契印)となっていない場合は、パスポートのコピーの余白に「原本と相違ない旨」を記載し、ご本人が署名(または記名押印)する必要があります。

ア 事前通知 (不登法23条1項)
申請人が外国に居住しているときは、その外国の住所に宛てて発送することになる。本人が航空郵便の郵送料を納付した場合に限り、航空郵便による (昭和35年6月2日民事甲1369号民事局長通達)。 法人が申請人である場合、 法人の主たる事務所に宛てて送付すること を原則とするが,申請人から法人の代表者の個人の住所宛に送付されたい旨の申し出があったときは、代表者個人の住所に宛てて送付すること になる(現準則43条2項)。

イ 海外など遠隔地居住者が登記義務者である場合
管理処分等一切の権限を授権された者が存し, かつその授権が公正証書等によって明らかにされており,その者からの申出があるときは, 保証通知を当該代理人に対して発して差し支えないとしている (昭和35年 6月16日民事甲1411号民事局長通達)。

外国に住所を有する外国人についての住所証明情報の見直し
2024年(令和6年)4月1日施行

・従前の実務 外国に住所を有する外国人が所有権登記名義人となる場合に提出する住所証明情報としては、同国の官公署の証明に係る書面又は同国の公証人の証明に係る書面等を提供することとされている(昭和40年6月18日付法務省民事甲第1096号民事局長回答参照)。
・従前の実務の問題点 登記先例による実務上の取扱いにとどまり、実際にどのような書面が必要になるか、またその正確性がどの程度のものであるかについては必ずしも明確でない部分があり、運用上の幅が広くなっている(中間試案の補足説明)。
・見直しの対象は外国に住所を有する「外国人」‐日本人は対象外‐ 外国に住所を有する日本人が所有権の登記名義人となる場合には、住所証明情報として、住所地を管轄する在外公館から発給された在留証明書等を提供することとされている(昭和33年1月22日付法務省民事甲第205号民事局長心得回答)。在留証明書は、在外公館が発給するものであり、住所は正確であると考えられ、かつ、その者が実在することを証明するに足りるものと考えられるため、外国に住所を有する日本人に関する取扱いは従来どおりである(部会資料35参照)。
・令和5年12月15日法務省民二第1596号(通達) 「外国に住所を有する外国人又は法人が所有権の登記名義人となる登記の申請をする場合の住所証明情報の取扱いについて(通達)」が発出された。この通達による取扱いは、令和6年4月1日以後にされる登記の申請について実施される。通達では、「第1」において外国に住所を有する外国人(自然人)が所有権の登記名義人となる登記の申請をする場合について解説したのち、「第2」において法人のパターンについて解説されている。

・自然人の場合

第1 外国に住所を有する外国人が所有権の登記名義人となる登記の申請をする場合
1 外国に住所を有する外国人が所有権の登記名義人となる登記の申請をする場合の当該登記名義人となる者の住所証明情報については、次の(1)又は(2)のいずれかと
するものとする。
(1) 登記名義人となる者の本国又は居住国(本国又は居住国の州その他の地域を含む。以下「本国等」という。)の政府(本国等の領事を含み、公証人を除く。以下「本国等政府」という。)の作成に係る住所を証明する書面(これと同視できるものを含む。)
(2) 登記名義人となる者の本国等の公証人の作成に係る住所を証明する書面及び次のア又はイに掲げる区分に応じ当該ア又はイに定める書面
ア 登記名義人となる者が旅券を所持しているとき次の要件を満たす旅券の写し(ア) 当該住所を証明する書面が作成された日又は当該申請の受付の日において有効な旅券の写しであること。
(イ) 登記名義人となる者の氏名並びに有効期間の記載及び写真の表示のあるページの写しが含まれていること。
(ウ) 当該住所を証明する書面と一体となっていない旅券の写しにあっては、原本と相違がない旨の記載及び登記名義人となる者の署名又は記名押印がされていること。
イ 登記名義人となる者が旅券を所持していないとき登記名義人となる者の作成に係る旅券を所持していない旨の上申書及び登記名義人となる者の本国等政府の作成に係る書面又は電磁的記録(以下「書面等」という。)の写し等(写し又は電磁的記録の内容を書面に出力したものをいう。以下同じ。)であって、次の要件を満たすもの
(ア) 登記名義人となる者の氏名の記載又は記録がある書面等の写し等であること。
(イ) 当該住所を証明する書面が作成された日又は当該申請の受付の日において有効な書面等の写し等であること。
(ウ) 当該住所を証明する書面と一体となっていない書面等の写し等にあっては、原本と相違がない旨の記載及び登記名義人となる者の署名又は記名押印がされていること。

2 前記1(2)にかかわらず、所有権の登記名義人となる者の本国等の法制上の理由等のやむを得ない事情から、登記名義人となる者の本国等の公証人の作成に係る住所を証明する書面を取得することができないときは、日本の公証人の作成に係る住所を証明する書面等(登記名義人となる者がその住所が真実であることを宣誓した書面等について、公証人法(明治41年法律第53号)第58条ノ2第1項又は第62条ノ6第2項(令和5年法律第53号による改正後の公証人法第53条第1項又は第59条第3項)の規定に基づく認証がされたものをいう。)並びに次のア及びイに掲げる書面を住所証明情報とすることができるものとする。
ア 前記1(2)アに定める書面
イ 登記名義人となる者の作成に係る本国等の公証人の作成に係る住所を証明する書面を取得することができない旨の上申書
3 登記所に提供する前記1又は2の情報のうち、外国語で作成されたものについては、その訳文を添付しなければならない。

・【第1‐1(1)】本国等政府の作成に係る住所を証明する書面 住民登録法等の根拠法令が存在する国に住所を有する外国人が所有権の登記名義人となる登記の申請をする場合には、通達に基づき「本国等の政府の作成に係る住所を証明する書面」を提供することが考えられる。韓国、スウェーデン、フィンランド、ドイツ(ベルリン州)
では住民登録法等の根拠法令が存在する。
・【第1‐1(2)ア】本国等の公証人の作成に係る住所を証明する書面等 従来から、本国等の政府作成に係る住所証明情報の提供が困難な国に住所を有する外国人が所有権の登記名義人となる登記の申請をする場合には、本国政府ではなく、本国公証人
(ノータリー、ノータリーパブリックオフィス)による宣誓供述書
を住所を証する情報として提供することが実務上許容されてきた。上記の通達の発出により、従来の実務上の取扱いが追認されたともいえる。もっとも、通達では「登記名義人となる者の本国等の公証人の作成に係る住所を証明する書面」に加えて、登記名義人となる者が旅券を所持しているときには、前記ア(ア)(イ)(ウ)の要件を満たす旅券の写しが必要となるなど、従来の登記実務とは異なる点があるため注意を要する。
最大のポイントは、旅券の写しが公証人作成の住所証明書と一体となっていない場合には、原本と相違がない旨の記載及び登記名義人となる者の署名又は記名押印がされている旅券の写しを用意しなければならない点である。

・【第1‐1(2)イ】登記名義人となる者が旅券を所持していないとき この場合は、

①「本国等の公証人の作成に係る住所を証明する書面」、②「旅券を所持していない旨の上申書」、③「登記名義人となる者の本国等政府の作成に係る書面の写し等」が必要になる。
③は公証人作成の住所証明書と一体となっていない場合には、原本と相違がない旨の記載及び登記名義人となる者の署名又は記名押印がなされた当該写し等を用意しなければならない。
・【第1‐2】やむを得ない事情により本国等の公証人作成書面を取得できない場合の救済措置 一定の要件を満たせば、日本の公証人の作成に係る住所を証明する書面でも良いものとされた。この場合、登記名義人となる者の旅券、上申書が必要となる。

・法人の場合

第2 外国に住所を有する法人が所有権の登記名義人となる登記の申請をする場合
1 外国に住所を有する法人が所有権の登記名義人となる登記の申請をする場合の当該登記名義人となる者の住所証明情報については、次の(1)又は(2)のいずれかとするものとする。
(1) 登記名義人となる者の設立に当たって準拠した法令を制定した国(州その他の地域を含む。以下「設立準拠法国」という。)の政府(設立準拠法国の領事を含み、公証人を除く。以下「設立準拠法国政府」という。)の作成に係る住所を証明する書面(これと同視できるものを含む。)
(2) 登記名義人となる者の設立準拠法国の公証人の作成に係る住所を証明する書面及び登記名義人となる者の設立準拠法国政府の作成に係る書面等の写し等であって、次の要件を満たすもの
ア 登記名義人となる者の名称の記載又は記録がある書面等の写し等であること。
イ 当該住所を証明する書面が作成された日又は当該申請の受付の日において有効な書面等の写し等であること。
ウ 当該住所を証明する書面と一体となっていない書面等の写し等にあって
は、原本と相違がない旨の記載及び登記名義人となる者の代表者その他の当該住所を証明する書面の作成に当たって宣誓供述を行う権限のある者(以下「代表者等」という。)の署名又は記名押印がされていること。

2 前記1(2)にかかわらず、所有権の登記名義人となる者の設立準拠法国の法制上の理由等のやむを得ない事情から、登記名義人となる者の設立準拠法国の公証人の作成に係る住所を証明する書面を取得することができないときは、登記名義人となる者の代表者等の本国等の公証人の作成に係る住所を証明する書面又は日本の公証人の作成に係る住所を証明する書面等(当該代表者等がその住所が真実であることを宣誓した書面等について、公証人法第58条ノ2第1項又は第62条ノ6第2項(令和5年法律第53号による改正後の公証人法第53条第1項又は第59条第3項)の規定に基づく認証がされたものをいう。)並びに次のア及びイに掲げる書面を住所証明情報とすることができるものとする。
ア 登記名義人となる者の設立準拠法国政府の作成に係る書面等の写し等であって、前記1(2)アからウまでの要件を満たすもの
イ 当該代表者等の作成に係る設立準拠法国の公証人の作成に係る住所を証明する書面を取得することができない旨の上申書
3 登記所に提供する前記1又は2の情報のうち、外国語で作成されたものについては、その訳文を添付しなければならない。

・【第2‐1(1)】設立準拠法国政府作成に係る住所を証明する書面 外国に住所を有する法人が所有権の登記名義人となる登記の申請をする場合、当該登記名義人となる者の住所証明情報として、設立準拠法国の政府(設立準拠法国の領事を含み、公証人を除く)作成に係る住所を証明する書面(これと同視できるものを含む)を用いることができるものとされた。なお、設立準拠法国以外の政府が作成した証明書では要件を満たさない。
・【第2‐1(2)】登記名義人となる者の設立準拠法国の公証人の作成に係る住所を証明する書面等 ➊「登記名義人となる者の設立準拠法国の公証人の作成に係る住所を証明する書面」に加えて、➋「登記名義人となる者の設立準拠法国政府の作成に係る書面等の写し等」であって、通達第2‐1(2)アイウの要件を満たすものが必要となる。
具体的には、➊に該当するものとして「宣誓供述書等」、➋に該当するものとして「日本の商業登記事項証明書に相当する内容が記載されているが、住所の記載や記載事項を証明する旨の記載のない政府作成の書面等」が該当すると解説されている(月報司法書士・第626号 日本司法書士会連合会理事齋藤毅「相続登記の実務−近年の改正を中心に」31頁)。
・【第2‐2】やむを得ない事情により設立準拠法国の公証人作成書面を取得することができないの救済措置 一定の要件を満たせば、登記名義人となる者の代表者等の本国等の公証人の作成に係る住所を証明する書面又は日本の公証人の作成に係る住所を証明する書面等でも良いものとされた。この場合、「登記名義人となる者の設立準拠法国政府の作成に係る書面等の写し等」であって、通達第2‐1(2)アイウの要件を満たすもの、上申書が必要となる。

[不動産登記レアケース14] 不備がある遺産分割調停調書を使用した相続登記

今回は、不備がある遺産分割調停調書を使用した相続登記についてご紹介します。

前提

  • 既に法定相続分で相続登記がされている
  • 遺産分割調停調書には、具体的な登記手続きについて書かれていない。(いわゆる登記手続条項の記載がない)
  • 相続人間でガチでもめているので共同申請は現実的ではない。

弁護士さんが介入した遺産分割調停の案件です。

相続人全員であるABC名義で法定相続登記がされている不動産(甲とします)について、遺産分割調停でAが単独で取得するという内容で調停が成立しました。

登記申請の局面になりましたが遺産分割調停調書には「甲不動産をAは単独で取得する」という記載しかありません。

→このままではBCを登記義務者、Aを登記権利者とするBC持分全部移転登記は申請できません。そこで担当された弁護士さん経由で裁判所にお願いをして更正決定を出してもらいました。はたして裁判所が更正決定で対応してくれるかドキドキでしたが、事前に裁判所の担当書記官の方にこのままでは登記申請ができないため、対応してもらいたい旨を説明しておきました。

無事に、こんな内容の更正決定を出してもらいました。

「年月日遺産分割を原因とするBC持分全部移転登記手続きをする」

念のため、更正決定の確定証明書も添付しましたが

何事もなく登記完了に至りました。

[不動産登記レアケース13] 数次相続と代襲相続が繰り返されている

不動産登記

相続登記義務化に伴い、過去の手つかずの相続が掘り起こされる中で増えてくるかと思います。
相続登記をしないままに次々と相続が発生する。代襲相続と数次相続の連続。
このようなケースに遭遇される方もいるのではないでしょうか。

今回ご紹介するケースがご参考になれば幸いです。

登場人物

被相続人Aは昭和48年に他界された後、被相続人Aの配偶者がB、子がD。Dの配偶者はC、子がEとF、Cには養子Gがいます。GはDとは縁組をしていません。FGは夫婦です。FGには、子HとIがいます。

ご依頼者様の要望は、A名義の不動産をG名義にしたい。

相続関係

Aは、昭和48年に他界
Bは、昭和63年に他界
Dは、昭和54年に他界
Fは、平成27年に他界
Cは、令和5年に他界

各相続での相続人

それぞれの相続を整理すると、
被相続人Aの相続人 BとD
被相続人Bの相続人 EとF
被相続人Dの相続人 CとEとF
被相続人Fの相続人 GとHとI
被相続人Cの相続人 EとGとHとI
この5つの相続に分けられます。

問題点

厳密に、登記手続きを行うとすると
Aにつき、亡B亡Dへの相続登記
亡Bにつき、E亡Fへの相続登記
亡Dにつき、亡CE亡Fへの相続登記、、、、。
このように続けていく形かと思います。
これはあまりにご依頼者様への負担が大きく現実的ではないと考えました。

解決

そこで相続人全員の方から聞き取りさせて頂いた結果、
それぞれの相続に関して、生前に遺産分割協議があったことが判明しました。

その結果、遺産分割証明書を作成して、過去に遺産分割協議は成立していたが
相続登記に至ることなく、現在に至ってしまったという事実を証明する書類を作成しました。

具体的には
被相続人Aが他界した時、Dが単独で相続する旨の協議が成立していた。
またDが他界した時、Cが単独で相続する旨の協議が成立していた。
Cが他界した時、Gが単独で相続する旨の協議が成立していた。

こういう内容の遺産分割証明書を作成し、現在生存しているEGHIに署名捺印を頂きました。

遺産分割証明書も公開しておりますので、ご参考にして下さい。

[不動産登記レアケース12] 表示登記と名変

こんな内容を掲載しています
不動産の表示に関する登記と住所変更・/土地・建物の表示変更の登記/建物滅失/地目変更/相続

レアケース:ご利用にあたって
司法書士として必ず当たる壁が名変だと思います。いざ調べると中々ピンポイントで出てこない。名変の情報が集約されていて、ここをチェックすれば大体の知識は得られる、そんなWEBが欲しくて立ち上げました。あくまでご参考程度にお読み頂き、皆様にて裏を取ったり、法務局へ照会されることを前提としております。誤っている、先例変更がある等のご指摘は大歓迎です。ただ上記趣旨から、この時はどうなるの?というご質問や却下になったじゃないか!という苦情には対応しておりません。皆様の業務が円滑に進むことを願います。

代表司法書士 時任裕

土地家屋調査士さんの分野になりますが知っておいて損はないと思います。ご参考までに。

※土地・建物の表示変更の登記は、その所有者に不動産登記法による申請義務が課せられて
おり、所有者の表示が登記簿上のそれと符合しない場合でも、原則として所有者の表示の
変更(更正)証明書を添付すれば、前提としての登記名義人の表示変更 (更正) 登記をす
ることなく、土地・建物の表示変更の登記申請をすることができる。

※地目変更の登記を申請するに当たって、 申請者の住所が登記簿上のそれと異なる場合でも、
申請者は名義人の表示変更または更正の登記をすることなく、変更(更正)を証する書面
を添付して地目変更の登記をすることができる。
(302 71, 394 253)

※建物滅失(または土地滅失)の登記を申請する場合に、所有者の住所が変更して登記簿と
符合しないときでも、その変更または更正を証する書面を添付すれば、直接、滅失の登記
ができる。
(登研13・28)

※表題部に記載された所有者または所有権の登記名義人から “住所の変更を証する書面”を
添付して、(名変) 登記を省略して直接分筆の登記の申請があった場合、 便宜、受理して
差し支えない。
(登研581・146)
◎従来は登記必要説(登研429124) が有力であったが、 後掲示する最近の論説等は、かな
り“名変更登記省略肯定” の傾向にあり、しかも、上記質疑応答がその直後に発表され
たことからしても、当局の実務取扱は当該質疑応答のとおり変更されたものと判断して差
し支えないと思う。
民事法務 「登記のページ」 平成3年11月号
登記研究「カウンター相談」 平成7年10月号
登記研究「実務座談会 (1)」 平成8年1月号
【実務取扱】
変更を証する書面を添付すれば、 新住所を記載した委任状を以って直接、分筆の登記の申
請をすることができる。
ただし、分筆した土地への転写事項としては、あくまでも分筆される土地=元番に記載さ
れている住所【旧住所】が転写される。
名義人の表示変更 (更正) の登記と土地分筆の登記とを併せて申請する場合には、名義人
の表示変更(更正) 登記を先にすべきである。

※不動産の合併合筆の登記を申請する場合に、当該登記名義人の表示が住所移転等により
変更しているときは、 前提として、 登記名義人の表示変更の登記をすべきである。
(登研364・79、380・80)

※被相続人名義の土地で、登記簿上の住所の表示がそれぞれ異なる土地の 『合筆』 の登記申 請をする場合には、その前提として、 相続人全員からの被相続人の表示変更 (更正) 登記
を省略できない。
(登研423・127)

※土地の合筆の登記申請を行う際に添付する(印鑑証明書)の住所が、合筆する土地の所有
権の登記名義人の住所と異なる場合
【事例】: H市からW市へ平成3年4月10日住所移転による登記名義人の表示変更の登記を 完了している甲氏所有のA及びBの土地について合筆の登記申請がなされたとき
H市の住所が記載されているH市発給の印鑑証明書(発行年月日/平成3年4月1日) ・H市からW市への住所の変更を証する書面が一緒に添付書類として添付されれば、 受理して差し支えない。
(登研523・137)

[不動産登記レアケース11] 商業登記と名変

こんな内容を掲載しています
商業登記、法人登記で役員の氏名変更や住所変更は必要か/取締役が死亡した場合、死亡を証する書面上の住所と登記簿上の住所が相違/商号に使える文字/

レアケース:ご利用にあたって
司法書士として必ず当たる壁が名変だと思います。いざ調べると中々ピンポイントで出てこない。名変の情報が集約されていて、ここをチェックすれば大体の知識は得られる、そんなWEBが欲しくて立ち上げました。あくまでご参考程度にお読み頂き、皆様にて裏を取ったり、法務局へ照会されることを前提としております。誤っている、先例変更がある等のご指摘は大歓迎です。ただ上記趣旨から、この時はどうなるの?というご質問や却下になったじゃないか!という苦情には対応しておりません。皆様の業務が円滑に進むことを願います。

代表司法書士 時任裕

商業登記、法人登記の場面で、前提としての名変(役員の氏名変更や住所変更)は必要か?
※従前の取り扱いについては、名変 (名更)に関する先例等は見当たらず、(登記研究)の
質疑応答によると、【株式会社】 代表取締役の再任に際して、登記簿上の 「住所」と議事 録記載のそれとが相違していても、 “同一人であることを証する書面”の添付すら要せず (登研254・73、25169、329・67、375・82) 【有限会社】の場合も同様に、その差異が 軽微で同一人と認められる限り、変更・更正を証する書面の添付も不要 (登研25269、 33974、34778) で、 再任の登記申請を受理して差し支えないとしていた。

※重任の登記の前提として取締役の住所の変更(または更正) の登記がなされなくとも、実
体に符合する住所で取締役の重任の登記がなされるのであるから、 公示上はこれをもって足りるとする考えによるものと解せられ、 仮に住所変更の登記をするとしても、住所の変更・更正を証する書面の添付を要しないのであるから、 前提の登記を省略する場合でも、 これらの添付を必要とする規定上の根拠・理由がないと考えられる。
「改正商業登記規則の施行による事務取扱いについて」
〈民事局第四課 平野・吉田 両課長補佐/昭48年 (登研第306号抜粋)〉

ただし、このような先例もあるので注意!
※株式会社の役員が重任した場合において、当該役員の登記してある氏名が新たに登記すべ き氏名と相違しているときは、議事録その他の書類により同一人であることが明らかでも、
重任の登記の前提として、氏名の変更または更正の登記をしなければならないと、 当該質疑応答により従来の取扱いを変更した。
(登研390・94 / 昭和55年6月)

※株式会社の役員が重任した場合において、当該役員の登記をしてある氏名が新たに登記す べき氏名と相違している場合に、議事録その他の書類により同一人であることが明らかで あり、かつ、登記用紙と同一の用紙に登記すべき事項を記載する場合 [全員改選時] に限り、氏名の変更または更正の登記をしないまま、 直接改名後の氏名で重任の登記をすることができる。
(実務)議事録にその旨を記載している例が多い。
[有限会社の場合の取扱い]
(登研409・86)

※株式会社の役員全員の変更で役員欄の用紙と同一の用紙に登記すべき事項を記載する場合 に限り、住所等の変更または更正の登記を省略することができるとする質疑応答が前述の
とおりなされた (登研40986) 、 有限会社については監査役がないことが多く、 その 場合には、取締役の全員について変更されることが一般的であるが、 この場合にも改正前 の商登法規則第80条第2項の「取締役および監査役の全員につき変更の登記を申請する場 合」に該当するとして、 従来から役員欄の用紙と同一の用紙を用いて申請されており、この取扱いに変更はないとしている。
(民事月報/平成6年3月号 「平成5年商法等の改正に伴う商業登記事務の取扱いについて:17頁」)

※代表取締役の住所変更等も同様の取扱いで差し支えない。

一方で役員の死亡の場合、前提として変更登記が必要なようです。
※登記簿に住所の登記のある役員の死亡による変更登記の申請に当たり、死亡を証する書面
と登記上の住所または氏名の記載が異なる場合には、表示変更または更正の登記をしない
限り、当該申請は受理されない。
(登研412・167)

※有限会社の取締役が死亡した場合に、死亡を証する書面上の住所と登記簿上の住所が相違
するときは、上記同様、 まず、当該取締役の表示の変更 (更正) の登記をすることを前提
としない限り、住所の移転を証する書面を添付しても本件変更登記は受理されない。
(登研427・106)

※株式会社(有限会社)の取締役、監査役の氏名の更正または代表取締役(取締役・監査役)
の住所・氏名の更正等の表示の (更正) の登記の登録免許税は、 金2万円である。
(登研365・79、415・121)
※更正を証する書面の添付は不要である。
(商登法第107条ただし書)〈現行:第132条第2項ただし書〉

※有限会社を株式会社に組織変更し、有限会社の取締役が株式会社の代表取締役に就任した
場合に、有限会社の取締役の住所が変更していたときは、 その変更後の住所により直接代
表取締役就任の登記ができる。
(登研421・109)

※商業登記簿の本店の所在として 『A市B町1番地 Cビル』 と登記している会社が、この
うち「Cビル」 だけを削除する変更登記を完了した後に、 当該変更登記前に取得した不動
産(当然「Cビル」の記載有り)を売却し、その所有権移転登記をする際には、その本店
の表示の変更による登記名義人の表示変更登記をする必要はない。
(登研453125)

※有限会社の社員総会議事録を添付しなければならない不動産登記申請において、議事録に
添付する取締役の印鑑証明書の住所と商業登記簿のそれとが相違する場合には、当該議事
録に変更(更正)を証する書面を添付するれば足りる。
(登研531・121)

※日本電信電話株式会社の再編成に伴い、 本店移転に伴う所有権登記名義人表示変更登記と
各承継会社への所有権移転登記は、同時申請により行うことを要する。
[会社(法人)登記と住居表示実施 ]
(平11・8・23民三1740依命通知)(登研626・177)

※住居表示実施地区に支店を移転した場合において、 住居番号の付定を受けずに建物の所在地番を支店所在地としてその移転登記を行ったときは、その後住居番号の付定を受けても、 それは住居表示に関する法律第4条の変更に該当せず、これによる変更登記について、登 録免許税法第5条第4号の規定の適用はない。
(昭45・3・4民甲930回答)
※株式会社の本店を移転した後または代表取締役が住所を移転した後、その登記前に移転後 の本店所在地または住所につき住居表示が実施された場合には、その本店所在地または住所の変更の登記申請は非課税とはならない。(中間省略登記は認められない)
(昭39.4.21民甲1590回答)

※本店において住居表示実施による変更登記をなし、 その抄本を添付して支店において住居表示実施による変更登記をする場合には、この抄本をもって非課税証明書に代えることが できる。 (昭37・9・11民甲2609通達)

※株式会社の代表取締役の住所について住居表示の実施があったが、 その事実を看過ごして 旧住所のまま重任の登記がなされた後その住所を住居表示実施後の住所に更正する場合には、登録免許税法第5条第4号の適用はない。
(昭42・11・16民甲3434通達)

※市区町村長の誤った証明書に基づいて住居表示の実施による株式会社の本店の変更登記を した後、改めて当該市区町村長の証明書を添付して、 その登記の更正の申請があったとき は、登録免許税を免除して差し支えない。
(昭40・9・24民四294回答)

商号に使える文字についてまとめています。
※商業登記において、 商号中に外国語を片仮名で表示する場合だけではなく、 漢字や平仮名
を用いる場合であっても、誤読を防止するため、 商号中に「なかてん (・)」 を用いて差
し支えない。
(昭54・2・9民四837回答) (登研655・175)

※平仮名で表記した商号に長音符号 「一(オンビキ)」 を用いることについて、 これを認め
ても差し支えない。
(登研658・203)

※商業登記規則等の一部を改正する省令(平成14年法務省令第47号。以下「改正省令」という)
及び商業登記規則第51条の2第1項 〈現行: 第50条〉の規定に基づき商号の登記に用いる
ことのできる符号に関する件(平成14年法務省告示第315号。以下「告示」という)の施
行に伴う登記事務の取扱いについては以下のとおり。

1 商号の登記に、 (1) ローマ字(大文字及び小文字)、 (2) アラビア数字、 (3) 「&」 (アンパサンド)、「’」(アポストロフィー)、「,」 (コンマ)、「-」 (ハイフン)、 「.」(ピリオド)、及び「・」 (中点) を用いることができる。
→(3)の符号は、字句(日本文字を含む)を区切る際の符号として使用する場合に限り用
いることができる。 したがって、会社の種類を表す部分を除いた商号の先頭又は末尾
に使用することはできない。
→ピリオドについては、省略を表すものとして会社の種類を表す部分を除いた商号の末
尾にも用いることができる。
なお、ローマ字を用いて複数の単語を表記する場合に限り、単語間の間を区切るために空白(スペース)を用いることもできる。
数字だけの商号を登記することも可能。
「株式会社」を「k.k.」「company incorporated」「Co.,Inc.」「Co.,Ltd.」等に変えることはできない。株式会社や合同会社などの種類を表す文字は使用が義務付けられている。

2改正省令の施行前から定款上の商号にローマ字その他の符号を用いている場合には、登
記の更正の手続(商業登記法(昭和38年法律第125号) 第107条 〈現行: 第132条〉)に準
じて、当事者の申請により登記上の商号を訂正することができる
→この場合の更正の申請書には、 定款 (同条第2項本文 〈現行:第132条第2項本文〉)
及び代理人により申請をする場合にはその権限を証する書面(同法第18条)を添付し
なければならない。

3会社を除くその他の法人等の名称の登記に関する取扱いについても、 1、2の取扱いと
同様とする。(法人登記規則(昭和39年法務省令第46号)第9条 〈現行: 第7条〉、特定
目的会社登記規則 (平成10年法務省令第37号) 第4条 (現行: 第3条〉、 中小企業等投
資事業有限責任組合契約登記規則(平成10年法務省令第47号) 第9条、 投資法人登記規
則(平成10年法務省令第51号)第4条(現行:第3条〉
(登研656・241)

会社(法人)本店と行政区画等の変更についてまとめています。
原則として、登記官が職権で変更の登記をする。
(商登法第26条、 同規則第42条、 同準則第69条)
〈準則につき現行: 商業登記等事務取扱手続準則第56条〉
※行政区画等の変更で本店所在の表示が変更された会社(法人)
登記官に対して、これらの記載の変更を促す申出をすることができる。
(昭39926民四308回答)
この申出による登記の記載は、職権に準ずる。
支店所在地および代表取締役等の住所の場合にも適用される。

登記記載例です。
A. 行政区画変更またはそれらの名称変更の場合
申請のとき「年月日町名変更」「年月日登記」
・職権のとき「年月日変更」「年月日修正」
Bこれらの変更に伴い地番号の変更もある場合
「年月日町名地番号変更」「年月日登記」
必ず、その変更の登記をしなければならない。
(昭4・9・18民8379回答)
C 土地改良事業または土地区画整理事業の施行に伴う地番号の変更の場合
「年月日土地改良(または区画整理)による地番号変更」「年月日登記」
(以上、昭42・10・17民甲2676通達)
(民四5661依命通知、平6・11・30民三8198通達)

[不動産登記レアケース10] 区分建物と名変

レアケース:ご利用にあたって
司法書士として必ず当たる壁が名変だと思います。
いざ調べると中々ピンポイントで出てこない。
名変の情報が集約されていて、ここをチェックすれば大体の知識は得られる、
そんなWEBを自分自身が欲しくて立ち上げました。
あくまでご参考程度にお読み頂き、皆様にて裏を取ったり、
法務局へ照会されることを前提としております。
誤っている、先例変更がある等のご指摘は大歓迎です。
ただ上記趣旨から、この時はどうなるの?
というご質問や却下になったじゃないか!
という苦情には対応しておりません。
皆様の業務が円滑に進むことを願います。

目次

敷地権付区分建物と名変・登録免許税

敷地権付区分建物と名変

※不動産登記法第100条第2項 〈現行: 第74条第2項〉 の規定により転得者が所有権保存の 登記を申請する場合には、 原始取得者の氏名・住所等の表示の変更または更正登記は省略することができる。 ただし、 変更または更正を証する書面の添付を要求している。(昭58年度全国首席登記官会同協議問題に対する本省回答No.73)

※同一棟内の二戸の敷地権付区分建物(敷地権の目的の土地:2筆)を所有している者が、 これらにつき登記名義人表示変更(更正)の登記を1件の申請書で申請する場合の登録免許稅(区分建物専有部分の個数2 + 敷地権の目的となっている土地の筆数2) × 1,000円 = 4,000円 (昭58・11・10民三6400通達第15第2項3号)権利の抹消登記の場合も同様の取扱である。数回に分けて取得された敷地権の共有持分権についても、 全体として1個の共有持分権として解釈すべきであるとする。

※既存の区分建物で、一体化作業により敷地権化されたものにつき、その後、所有権移転登記をする前提として、住所移転等の原因による表示変更(更正)の登記をする場合の「登記の目的」 の判断基準は、 あくまでも区分建物を基準として判断すればよい。(昭59年神戸地方法務局首席登記官電話回答)

※所有権が敷地権である区分建物所有者が住所を変更した場合、 敷地権が生じた日以前の日 を登記原因の日とする土地または建物のみの所有権に関する仮登記、 質権または抵当権設 定の登記を申請するときには、その前提として所有権登記名義人表示変更登記を要する。(登研454・132)

[不動産登記レアケース9] 抵当権、根抵当権と名変

レアケース:ご利用にあたって
司法書士として必ず当たる壁が名変だと思います。
いざ調べると中々ピンポイントで出てこない。
名変の情報が集約されていて、ここをチェックすれば大体の知識は得られる、
そんなWEBを自分自身が欲しくて立ち上げました。
あくまでご参考程度にお読み頂き、皆様にて裏を取ったり、
法務局へ照会されることを前提としております。
誤っている、先例変更がある等のご指摘は大歓迎です。
ただ上記趣旨から、この時はどうなるの?
というご質問や却下になったじゃないか!
という苦情には対応しておりません。
皆様の業務が円滑に進むことを願います。

目次

・債権者と債務者を互い違いにしてしまった場合の更正・取扱店の追加、変更、更正・抵当権(根抵当権)の追加設定の局面で表示変更登記を省略できるか否か・抵当権者(根抵当権者)、債務者の表示の変更・抵当権の債務者AとBが、異なる日に住所移転した場合・債務者の住所変更登記の一括申請

債権者と債務者を互い違いにしてしまった場合

「債権者を乙・債務者を甲」とする抵当権設定登記の申請書に添付された登記原因証書には、『債権者甲・債務者乙』と記載ミスがあったがそれを看過して登記を完了し、後日当該登記につき錯誤を原因として抵当権登記名義人の更正登記の申請があった場合には、申請を受理して差し支えない(昭35・6・3民甲1355回答)

(根)抵当権設定登記の登記義務者 (設定者)の表示に変更を生じているため、その表示が登記簿上の表示と異なっている場合には、予め登記名義人の表示変更の登記を申請する必要がある。(登研269・73)

取扱店の表示について

※住宅金融公庫の代理人である銀行を取扱店とする場合、 取扱店の表示を「○○銀行 本店営業部」とすることはできない。 (注: 平成19年4月に住宅金融公庫から独立行政法人住 宅金融支援機構へ権利義務承継)(登研453124)

※抵当権の移転登記の際に、 新抵当権者の表示に取扱支店を記載することは差し支えない。(登研370・74)

※委任状に取扱店の表示があれば、 登記原因証書に取扱店の記載がない場合でも、申請書に取扱店の表示をすることができる。(登研535・177)

各金融機関の取扱店

※労働金庫が抵当権者の場合も、 取扱店名 (取扱事務所何支店) の併記が認められている。(昭36・9・18民甲2320通達)(登研6355)

※全国信用金庫連合会が抵当権者でその貸付業務を信用金庫に委託する場合、 取扱店名を併記してその登記をも受けることができる。 (昭37.9.29民甲2781通達)(登研6355) (注:「全国信用金庫連合会」 は、 平成12年10月1日より 「信金中央金庫」に名称変更)

※全国信用協同組合連合会が抵当権者でその貸付業務を信用組合に委託する場合、 取扱店名 を併記してその登記をも受けることができる。(昭62・2・27民三896通達)(登研6355) (注:「全国信用協同組合連合会 (全信組連)」は、 平成19年1月1日現在もその名称で存続)

※中小企業金融公庫を抵当権者とする取扱店の表示について、 「営業第一部」として申請することができる。(昭57.4.28民三3238回答) (登研688265)

※外国会社を抵当権者とする抵当権設定登記を申請する場合に、 申請書及び登記原因証明情報に外国会社の取扱店として日本における営業所が記載されている時でも、当該営業所が登記されていることを証する登記簿謄本等の提供は要しない。(登研633・175)

取扱店の表示の追加について

※既存の(根)抵当権の設定登記に取扱支店の表示がない場合に、これにつき取扱支店を表示する登記は、(根) 抵当権登記名義人の表示変更の登記に準じ、便宜認めて差し支えない。(昭36・9・14民甲2277回答)

※取扱店の記載のない担保権の登記に取扱店を付記する登記は、当該抵当権等の担保権の変更(更正を含む 但し処分の登記を除く) の登記の申請をする場合に限り、併せて申請することができる。(昭36・11・30民甲2983通達)

  • 登記の目的:「昭和○年○月○日受付第何号順位×番抵当権に次の取扱支店の附記」と記載し、取扱支店の名称を記載する。(昭36・11・30民甲2983通達)
  • 登記原因およびその日付 : 何らの記載を要しない。
  • 登録免許税:抵当権の変更と併せて申請する場合には、取扱店の付記の分を改めて徴収することを要しない。

※登記名義人(抵当権者)のみによる単独申請で、登記済証をはじめ印鑑証明書、そしてその存在を証する会社の支店に関する登記簿謄抄本の添付を要しない。 (登研182・162)
→登記原因証明情報の添付は必要(登研689・291)

取扱店自体の変更について

※取扱支店等若しくはその表示の変更、又は取扱支店等を登記する抵当権の変更登記を申請する場合には、登記原因証明情報を提供する必要がある。(登研689・291)

※抵当権者の取扱支店を甲支店から乙支店に変更した場合は、抵当権登記名義人表示変更登記に準じて単独で、抵当権の変更登記申請ができる。(登研352・101385・80)

  • 登記の目的:「抵当権変更登記」
  • 登記の原因:何らの記載を要しない。
  • 変更後の事項 : 「取扱店 乙支店」
取扱店の表示の変更・更正・抹消について

登記の目的:「抵当権変更(または更正)」

登記の原因
 a.遺漏の場合:「遺漏」 / 「追加すべき事項」
 b. 誤記の場合:「錯誤」/「更正すべき事項」
 c. 取扱支店の名称の変更の場合: 「年月日 取扱店名称変更」 / 「変更後の名称」

取扱店の表示の抹消について
登記の目的: 「抵当権変更」
変更後の事項: 取扱店の表示抹消
(登研595・135)

追加設定について

※根抵当権者の表示変更があった後に当該根抵当権について他の不動産を『追加担保』とす る登記の申請をするときは、前提として根抵当権者の表示変更の登記を省略することはできない。 (411 84, 422 104, 475 131)

→たとえその不一致の原因が 『行政区画の変更等』 であっても、不動産登記法第59条 〈現行: 不動産登記規則第92条第1項〉 [変更看做規定] の適用はなく、 従って、 先に設定登記 がされている根抵当権と追加する根抵当権とが形式的に同一性を欠くことになるため

根抵当権の登記名義人の表示変更登記の一括申請

※登記名義人の本店の表示に関して、

●甲土地については 「平成元年2月1日 住居表示実施」
●乙土地については 「昭和59年○月○日 本店移転」 および 「平成元年2月1日住居表示実施」

を登記原因とする甲・乙両不動産についての根抵当権の登記名義人の表示変更登記は、同 一の申請書で申請することはできない。(登記原因が異なるから / 登研516・197)

※根抵当権につき共同担保として追加担保の設定登記を申請する場合に、 根抵当権者の「取扱店の表示」 が既登記根抵当権のそれと異なる場合でも受理される。(377 141, 382 81、 383 · 93)

  • 既登記 : 取扱店の表示なし、 追加設定/取扱店の表示あり。
  • 既登記 : 取扱店の表示あり、 追加設定/取扱店の表示なし。
  • 既登記 : 取扱店Aの表示、 追加設定/取扱店B の表示。

(以上、 いずれの場合も受理される。 / 登研548166)

抵当権追加設定の局面で、表示変更登記の省略の可否

※既登記抵当権の抵当権者の氏名または本店等の表示が変更されている場合には、変更を証する書面を申請書に添付すれば、 前提たる抵当権者の表示の変更登記を省略しても、追加設定の登記申請は受理される。(登研547146、560・136)

※根抵当権設定または変更登記の利害関係人等の表示が登記簿のそれらと相違する場合で も、その者の承諾書に表示の変更(更正)を証する書面を添付すれば、利害関係人の表示 の変更(更正) 登記は省略することができる。(登研36283、419.87)

※有限会社の社員総会議事録や株式会社の取締役会議事録を添付するときにこれに添付する 印鑑証明書の住所または氏名と当該会社の商業登記簿謄本のそれらの記載とが一致しない 場合でも、当該議事録に変更証明書を添付すれば足りる。(登研531・121)

(根)抵当権追加設定の局面で、表示変更登記の省略の可否

※追加設定登記申請書に記載すべき債務者の住所が、 従前の登記以後の住所移転等により既登記における債務者の住所と一致しない場合に、前提としての 『債務者の表示の変更登記』 の申請を

  • 根抵当権の場合→要する。 (登研32572、422105)
  • 普通抵当権の場合→要しない。 (登研425125、643・177)
債務者の住所変更登記の一括申請

※根抵当権者・債務者および設定者を同じくする数個の根抵当権が同一不動産上に設定されている場合の『債務者の住所変更の登記』は一括して申請することができる。(登研357・81)

※行政区画の変更または名称変更による債務者の住所の不一致の場合は、 不動産登記法第59 条 〈現行: 不動産登記規則第92条第1項〉 の規定により、 新住所に変更したものとみなさ れるので、 追加設定の際、 住所の変更を証する書面を添付すれば、 根抵当権の変更の登記を省略することができる。(従来の登記省略否定説 (登研422105、44285)から変更された (登研536177))

※行政区画の変更または名称変更に伴い地番号も変更されたときは、 変更の登記を省略できないものと解される。(昭4・9・18民8379回答参照)

※根抵当権の追加設定においては、住居表示実施による不一致の場合には、債務者の住所変更の登記を省略することは認められない。(登研545・154)

※既登記抵当権の債務者の住所が住居表示実施により変更されている場合に、 住居表示実施証明書を添付してする変更後の債務者の住所を表示した抵当権の追加設定の登記は受理さ れる。(登研572・152)

※債務者兼設定者の住所が変更して登記簿上の表示と異なるときには、 (根) 抵当権の債務者の表示変更の登記の前提として所有権登記名義人の表示変更の登記を申請しなければな らない。(登研425・126)

※既登記の(根) 抵当権者が代位によって所有権登記名義人の表示変更登記をする場合にお ける〈代位原因〉は、「年月日変更契約に基づく〇番抵当権変更登記請求権」と記載す れば足りる。(登研376・38)

※抵当権の登記における債務者の表示の変更の登記を債権者代位によるものとして抵当権者が単独で申請することはできない。(昭36・8・30民三717回答)

債務者の表示の変更の登記について

申請人:(根)抵当権者と設定者による共同申請
登記の目的: 「(根) 抵当権変更」
登記の原因: 「年月日住所移転」「年月日氏名変更」「年月日住居表示実施」
変更後の事項

○根抵当権の場合
「A市B町C 番地 債務者 甲野一郎」
○普通抵当権の場合
「債務者 何某の住所 ○×△」
◎添付書類の特例
A 設定者の権利の登記済証を添付することを要する。
(登研178・70、397.84) (登研456・128) (登研214・71)
B 原則としては、変更を証する書面の添付を要しないが、 ただし、 住居表示実施に伴う住所変更の場合にその実施証明書を添付すれば、登録免許税法第5条第4項の規定により非課税となる。
C設定者の印鑑証明書
○根抵当権の場合→添付を要する。
○普通抵当権の場合→添付を要しない。
(登研432・129)
(登研334・73、36481)

※抵当権の債務者AおよびBが、 それぞれ異なる日に住所移転した場合でも、同一の申請書で申請することができる。
登記の原因 「年月日 A 住所移転」「年月日 B 住所移転」(登研507・198)

抵当権の債務者(A・B・C・D)のうち、 AおよびBについて住所移転による変更があった場合、根抵当権変更の登記の事項は、住所移転したAおよびBのほか、 CおよびDをも記載することを要する。(登研530・148)

  • 登記原因 「年月日 変更」
  • 変更後の事項 債務者 住所 A 住所 B 住所 C 住所 D

※債務者が二人の根抵当権につき、その一人につき 「住所移転」、他の一人につき「本店移転」がなされた場合に、この根抵当権の変更登記を一括して申請することはできない。(大阪法務局決議)

※(根) 抵当権の債務者の表示変更・ 更正(例:債務者の氏名の更正および住所移転)による根抵当権設定登記の変更および更正の登記は、[登記の目的および登記原因を異にするが]便宜、同一の申請書で申請することができる。

登録免許税:不動産1個につき金2,000円
(登研41396) (登研391・111)

※根抵当権の債務者 『A会社』 が下記のごとく変更した場合、当該根抵当権の変更登記を一件で申請することはできない。(登研363・167)

  • A会社→B会社に吸収合併される。
  • B会社→ 『C会社』と商号変更

→不動産登記法第57条 〈現行: 不動産登記規則第150条〉 には、 「権利ノ変更ノ登記ヲ為ストキハ変更シタル登記事項ヲ朱抹スルコトヲ要ス」と規定しているが、 先例には『合併により債務者が変更した場合における根抵当権の変更登記については従前の債務者の表
示は朱抹しない。』 とされ (昭46・12・27民三960通知)、 その取り扱いを異にすることになるからである。

※抵当権の債務引受等による債務者変更登記を申請するに当たり、登記簿上の変更前の債務 者の住所氏名に変更が生じている場合は、その表示変更登記を省略する扱いは認められな い。 なお、 根抵当権の債務者の変更登記を申請する場合も同様に考えて差し支えない。(登研452・115)

※住宅金融公庫等の非課税法人が抵当権者である場合の債務者表示変更登記の登録免許税は、登録免許税法の規定により非課税とされる。(注:住宅金融公庫は平成19年4月に独立行政法人住宅金融支援機構へ権利義務承継がな されている)(登研360・94)

※抵当権の債務者が所有権の登記名義人と同一人で当該所有権の登記名義人につき、 住居表 示実施による住所変更の登記がされている場合であっても、 住居表示実施による根抵当権 の債務者の住所の変更登記申請書には、 非課税証明書を添付しなければならない。(登研421・108)

根抵当権元本確定

※根抵当権の変更の一種であり、登記権利者 (根抵当権設定者) および登記義務者(根抵当 権者)ともに、その表示に変更または更正の事由が生じているときは、 前提としての登記 名義人の表示変更 (更正) の登記を省略することはできない。(根) 抵当権の抹消

※抵当権抹消登記申請書の登記権利者 [抵当権設定者である所有権登記名義人] の表示 (住所等)が、登記簿の所有者の表示と一致しない場合

  • 表示の変更を証する書面を添付しても、受理されない。不動産登記法第49条第4号 〈現行: 第25条第5号〉により却下される。(355 90. 371 · 76, 512 · 157)
  • 住居表示実施による変更で既に不動産の所在欄は変更されているときでも、表示変更 の登記を省略できない。(登研430・173)

※抵当権者の表示の変更(更正)証明書を添付すれば、抵当権の抹消を前提とする抵当権の登記名義人の表示変更 (更正) 登記は省略できる。(昭28・12・17民甲2407、 昭31・9・20民甲2202各通達) (登研360・91)(登研445・109)

→申請書には、変更後の表示を記載する。