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The Real Challengers

挑戦者たちのリアル #03

つまずきながら前へ
Mr田中とその静かなる勝利

多くの人々は、夢を追いかける過程で数々の困難や挫折に直面します。しかし、その中には、途方もない試練の中で、信念と絶え間ない努力で夢を実現させる人々がいます。田中さんはその一人。彼の物語は、夜間店長という厳しい役職と、合格の一歩手前での失敗を8年も経験するという挫折と失望、そして最終的な勝利という道のりを描いています。彼のリアルから、「挫折は成功への階段」という真実を深く感じ取ることができると思います。

司法書士以外にも目指されたことがあると伺いましたが、何を目指されていたんですか?
時任
時任
大学在学中には、税理士を志していました。大学院まで進み税理士試験の免除を狙っていましたが、大学院に入ることが叶わず、その夢は一度断念しました。
田中さん
その後の経歴を簡単に教えて頂けますか?
時任
時任
地元柏市での初めての職場環境は厳しかったため、新たな環境を求めて新潟へと移りました。そして10年間、繊維関係の営業を経験しました。その後、柏市に戻りました。30歳半ば過ぎだったと思います。
田中さん
司法書士試験の勉強を始めたのはその頃でしょうか?
時任
時任
そうです。柏市に戻ってきた頃に挑戦を始めました。当初は2年での合格を目指し専業で勉強をしていたのですが、その思いは甘かった…。結局、フルタイムでの仕事と並行して勉強を続ける日々となりました。柏の高島屋(百貨店)で12年くらい勤めました。
田中さん
合格の一歩手前での足踏みが、8年もの間続いていたと伺いました。そしてその間、百貨店やスーパーでのご勤務もありましたね。
時任
時任
そうでした。その8年という時間、試験の挑戦だけでなく、日々の仕事の中でもハードワークが続いていました。一日の終わりに疲れ切った体で帰宅しても、そこで待っていたのは勉強の時間。午前と午後での足切りに何度も引っかかるという結果に、自分の能力や努力を疑う気持ちが湧き上がることもありました。その度、再挑戦の勇気を持ち直すための葛藤がありました。夜の静寂の中で、不安や期待、希望や絶望が交錯する中、日常の厳しい業務と勉強の重圧が私を追い詰める日々を過ごしてきました。
田中さん
合格に手が届きそうなラインでの不合格を8年も経験したなんて、誰もが挫けてしまう状況だったと思います。それにもかかわらず、どのようにして継続できたのでしょうか?
時任
時任
まさに試練の連続でした。しかもその最中、高島屋からベルクというスーパーマーケットに転職し、夜間の店長としての責任ある役職を担いました。日中の業務に疲れても、帰宅後は再び書籍を開き、試験への挑戦を続けました。夜間店長としての役職は、日常業務だけでなく、従業員の管理や店舗の運営といった多岐にわたる責務が伴うため、一日の終わりには心身ともに疲弊していました。しかし、そんな厳しい日々の中でも、自分の夢を追い続けるための熱意が、私を支えてくれました。そして、2021年、その努力がついに実を結び、合格の知らせを迎えることができました。
田中さん
熱意の勝利ですね!合格された時の状況を教えてください。
時任
時任
その日、ベルクの休憩室で僅かな休息の時間を過ごしていました。周りは同僚たちの談笑やスマホの操作音、その一瞬の平穏さの中、私の心臓の鼓動だけがやけに大きく感じられました。手に汗を握りながら、合格発表サイトを開きました。長い秒の経過と共に、自分の番号が目に飛び込んできました。 一瞬、信じられない気持ちと、あの長い戦いがようやく報われたことの喜びで、目の前が霞みました。番号の確認を何度も重ね、間違いないと確信したとき、私は自然と頭を天に向け、深い感謝の息をつきました。目の前の景色、休憩室の雑踏、それが突如として美しく感じられました。そして、その場にへたり込むようにして、静かな涙を流しました。
田中さん
何年もの時間をかけて追い求めてきた結果に向き合うその瞬間、語り尽くせない感情が湧き上がったことでしょう。感動的なシーンですね。
時任
時任
勉強方法を教えて頂けますか。また特に工夫されたことはありますか?
時任
時任
私は完全な独学でしたので、基本書を読み込むことと過去問や模試を解くことに専念しました。また工夫したこともあります。フルタイムで働きながらの勉強だと、私はまんべんなく勉強するのは無理だと判断しました。その年に出題されることを予測して、出ないと判断したものは重要論点であっても切り捨てる。また過去問の動向も調べて去年や一昨年出題された論点は外す。また直前期に予備校の主催する出題予想講座を受験してそれも参考にもしました。 結果的にはそれが当たった形です。時間のない方はある程度しぼることも大事だと思います。最後の年は平日は1、2時間くらいの勉強時間だったと思います。
田中さん
合格された年とその前年の点数を教えてください。
時任
時任
1次28問、2次29問、書式はそれぞれ26点ほどで合格点を12点上回っていました。合格の前年は、1次28問、2次22問で足切りに引っかかってしましました。書式はノーミスの感覚でした。
田中さん
その点数は確かに圧倒的でしたね。
時任
時任
田中さんと同じように、仕事をしながら試験勉強の山を登る受験生は多いはず。そんな受験生たちに、田中さんの経験を元にアドバイスをお願いできますか?
時任
時任
最大の秘訣は諦めない事。私自身、数え切れないほど諦めそうになりました。「自分には向いていないのでは?」と思った瞬間もありました。ただその時に、自分の人生はそれで良いのか?と自問自答し向き合い、もう少し頑張れると納得させ翌日からまた勉強をスタートさせました。心が折れそうになっても勉強を続けました。 とにかく諦めずに続ける事。これに尽きると思います。 夢を追い続けること、それこそが成功への道だと私は信じています。
田中さん
田中さんの言葉は、多くの受験生たちの背中を押してくれることでしょう。感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます。
時任
時任